輸送機器メーカーM社 製造技術部
穴径公差5µmを確実に守る!プロが提案した高精度加工・生産性向上の道筋とは
輸送機器の部品製造を行うM社。高精度な加工が求められる部品の製造において、既存の老朽化したホーニング盤では測定結果がばらついてしまい、加工精度が十分に維持できていなかった。製造する部品は、安全性に直結する重要なパーツも多いため、品質を安定させ、生産量を確保することが最優先の課題だった。
M社は輸送機器メーカーとして、重要保安部品の製造を担っています。その中でもより高精度加工が要求される部品において、既存のホーニング盤では老朽化による測定結果のばらつきによって、精度が不安定になっていることが課題となっていました。
製造技術部のT氏はこう振り返ります。
「私たちの部品加工では、穴径公差5µmが求められます。穴径公差5µmを達成するためには、荒加工での精度ばらつきを抑える必要があり、そのためには安定した測定と補正が必要でした。しかし、現場のホーニング盤は老朽化が進み、測定誤差により補正もばらついていました。その影響で、仕上加工も不安定になり、品質にばらつきが生じていました」
さらに、NG品が増えることで、生産ライン全体の効率も悪化していました。
「加工精度が安定せず、設備を停止しての調整が頻繁に必要になっていました。これにより、作業者の負担や設備停止が増え、生産ライン全体の効率も低下していたのです。特に納期に影響が出ることもあり、顧客からの信頼に影響を及ぼしかねない状況でした」(T氏)
また、既存のホーニング盤は導入から二十年以上経過した古い機械だったため、メーカーに修理を依頼しても、対応に時間がかかることがありました。このような状況から、測定結果を安定させるために、製造技術部では設備の更新が急務とされていました。
現場のホーニング盤は老朽化が進み、計測結果が不安定だった
不安定な測定結果が原因で補正がばらつき、求められている公差を達成できなかった
設備を停止しての調整が頻繁に必要になるなど、生産ライン全体の効率も低下していた
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