産業機械部品メーカーM社 生産技術部

生産能力大幅UPの障害は、内径仕上工程にあった…

精度安定化と加工時間短縮を同時に解決する切り札は?

背景

産業機械メーカーに減速機を供給するM社では、顧客から部品の増産に備えてほしいとの依頼を受けた。さっそく生産工程を見直し自動化を計画したが、現在の設備では顧客の要求を満たせないことが分かった。

課題

現状工法は、作業者による加工精度調整が必要で、単純に設備を増やしても安定した生産が出来ない…加工時間も長く生産大幅増への対応が難しい

顧客からの要求は、対象部品の生産数を現在の15,000個/月から25,000個/月に増やしてほしいということでした。

生産技術部のA氏はこう振り返ります。
「増産を計画する部品は熱処理後の内径仕上げを電着工法で行っていましたが、加工時間は60秒/個でした。増産にはその加工時間の短縮が必要です。また、内径は電着砥粒が摩耗してくると、穴径小になったり面粗度や円筒度が悪化したりするため、その都度作業者による調整が必要だったのです。このままでは増産に対応することはできません」

生産技術部では、自動化による効率UPを計画しましたが、困難な状況でした。
その後も工程を改善するべく部内で話し合いを重ねましたが、有効なアイデアが出てくることはありませんでした。

課題のポイント

  • 電着砥粒摩耗により加工精度が悪化するため、作業者が調整を頻繁に行わなければならなかった

  • 60秒/個からの加工時間短縮と稼働率UPに限界があり、生産大幅増に対応が困難な状況であった

  • 作業者の介在がネックになり工程の自動化は困難だった

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