産業機械向け部品メーカーB社 生産技術部

熟練技術者が定年退職間近!重要工程の技術継承が緊急の課題だが、このままでは…

2個同時加工が可能な竪型ホーニング盤の導入で、加工時間は実質半分以下に!

背景

多品種製品を扱うB社の工場では、製品の内径仕上に横型ホーニング盤を用いていた。この工程は熟練作業者が設備に張り付き、都度寸法調整など細かい手作業が必要なため、作業者にとって大変負荷の高い工程である。近々、熟練作業者が定年を迎えることをきっかけに、従業員の高齢化と技術伝承の問題が浮き彫りとなってきた。

課題

ホーニング盤1台、職人技に頼っていた仕上加工。この環境を改善したいが…

実はB社では、多品種ある製品の内径仕上を横型ホーニング盤1台で行っており、熟練技術者が都度、寸法調整をしながら内径仕上を行っていたのでした。この加工を行うには長年の勘と技が必要です。ところがこれを実施できる技術者は、定年を控えた1名のみであり、技術伝承が進んでいない状況だったのです。

この工程の問題について、生産技術部の部長O氏は次のように説明しました。
「この工程は、加工⇒測定(寸法確認)⇒加工⇒測定(寸法確認)を繰り返し行う作業です。そのため、内径仕上加工中は、作業者が設備に付きっきりになる必要がありました」

しかも作業中はワークを直接手に持って加工しており、長時間の作業となります。その負担は大きく、またワークが回転してしまう危険性もある作業です。従業員全体が高齢化していることもあり、担当者の定年退職後に負荷の大きいこの作業を引き継ぐ人がいませんでした。そのため早急に技術伝承を始め、安定した加工精度を確保する必要があったのです。

O氏をはじめとする生産技術部では、この課題を解決して生産体制を整えるべく、他の内径仕上加工機の情報や他工場の事例など、広範囲に情報収集を始めました。

課題のポイント

  • 内径仕上加工を担っていた熟練技術者の退職が近づいていた

  • この工程は加工と寸法確認・調整を繰り返す負荷の大きい作業だった

  • 従業員全体の高齢化もあり、安定した加工精度を確保するための後継者がいなかった

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