輸送機用部品メーカーL社 製造部

生産能力向上のため、機械部品加工技術の高性能化が必須に…

目標とする品質と生産性の両面で実現した内径仕上加工機械とは?

背景

部品加工に定評があり、世界中のメーカーから相談やオーダーが絶えないL社では、生産能力を増やす方向で見直しを行っていた。しかし、能増にあたり各工程の生産能力や加工精度のチェックを行ったところ、内径仕上工程にいくつか課題があることが判明した。製造部は早急に対策するべく、工程変更も視野に入れて動き出した。

課題

狙い精度に対しワンパスホーニング加工の穴径精度が安定しない…

近年、輸送分野における機械部品加工技術への要求はますます高度なものとなっています。L社内部でもそうした傾向を実感しており、担当者が対策を検討していました。

製造部のB氏は、次のように振り返ります。
「加工精度の高度化と高品質の保証はもちろんのこと、加工時間の短縮も実現しなければならない状況でした」(B氏)

その取り組みの一環として、L社では内径仕上工程を内径研磨加工からワンパスホーニング加工に切り替えることにしました。順次、切り替え作業を行っていましたが、その途中で工程を改めて見直した際、いくつかの課題があることが判明します。

「ワンパスホーニング加工は、内径研磨機と比べると加工時間が短いため生産能力向上が見込めます。しかし、真円度や円筒度などの穴径精度が不安定になっていました。理想の穴径精度は真円度1μ以下、円筒度1.5μ以下ですが、その条件で穴径精度を安定させることができていません」(B氏)

理由は穴径精度を安定させるためには、その都度、熟練作業者の勘所やテクニックに頼った手動調整をしたり、電着ツールの食いつき具合の確認をしたりしなければならないからです。これらの課題を解決して安定した穴径精度を確保するべく、製造部のメンバーは内径仕上加工機や他工場の事例などの情報収集を始めます。しかし有益な情報がなかなか得られず、増産計画を目の前にしたメンバーは焦りを募らせる一方でした。

課題のポイント

  • 内径仕上工程をワンパスホーニング加工に切り替えたが、穴径精度が不安定だった

  • 穴径精度を安定させるには、熟練作業者による手動調整などが必要だった

  • 加工時間の短縮も実現しなければならない状況だった

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