
海外展示会レポート
2026年4月、中国・上海で開催された工作機械見本市「中国CNC工作機械展覧会 (CCMT 2026)」に出展しました。
同展示会は北京で開催される「中国国際工作機械展覧会CIMT」と並ぶ中国二大工作機械見本市の一つです。日進ProSOLは、自動車、オートバイ、半導体、ロボット、航空など、各産業のニーズに合わせた自動化ソリューションを展示しました。
今回は、個人的にも久しぶりの中国、実に7年ぶりの訪問になります。
この7年で変わったこと、変わっていないこと、さまざまありましたが、まず1番に感じたのは「キャッシュレス化の進化」でした。
もはや「便利になった」というレベルではなく、街全体がテクノロジーを前提に設計されていて、社会の仕組みそのものが書き換わってしまったかのような感覚です。
配車、買い物、食事、デリバリー。あらゆることがスマートフォン中心で完結します。
「スマホがないと生活が成り立たない」と聞いていましたが、実際に体験するとこれは大げさではなく本当でした。
中国では主にWeChat Pay(微信支付)とAlipay(支付宝)が完全に生活インフラとして定着しています。
屋台から百貨店まで、支払いはQRコード決済が基本です。
例えば飲食店では、カウンターのQRコードを読み取ってその場で支払い。テーブルのQRコードを読み込めば、メニュー表示から注文・決済まで一気に完結したりと非常にスムーズです。
単にデジタル化が進んでいるだけではなく、「いかに手間を減らすか」という考え方がサービス全体に浸透しているように感じました。
最初は「トラブルが起きないのかな?」と不安もありましたが、金額の確定や、アカウントの実名紐付けなど、仕組みとしてしっかりと成立しているため、心配はほとんどないとのこと。
タクシー乗車も配車も支払いもアプリ内、 ピックアップ場所もとても正確。ドライバーとのやりとりも最小限です。
日本でもキャッシュレス化が進んでいますが、この徹底した効率と管理が今の中国社会を動かす大きな原動力なのかなと感じました。
帰国後、日本で支払いをしたとき、「えーっと、財布財布…」となったほどです。
それぐらい、このスピード感には不思議な中毒性がありました。
スマホひとつで生活が完結する一方で、当然弱点もあります。それが「電池切れ」です。そのため街中には、モバイルバッテリーのシェアリングサービスが数多く設置されていて、これもまた、キャッシュレス社会を支える重要なインフラのひとつとして機能していますね。
一方で、操作に慣れないと進まない場面も多く、「これは誰にでも優しい仕組みなのだろうか。」と感じるところもありました。実際、私も最初は戸惑いましたが、帰る頃には配車アプリも使いこなせるようになっていました!
それでも一度慣れてしまうと移動や支払いにかかる時間が圧倒的に短くなり、使いこなせるかどうかで行動のスピードが明らかに違います。
レジで小銭を数える時間やATMを探す手間もない。その分人々は、どこかアクティブに動いているように見えました。
もうひとつ印象的だったのが、ロボットの存在です。珍しいものではなく、自然に日常に溶け込んでいました。
ホテルのエレベーターを待っていると、小型ロボットがやってきました。清掃ロボットかと思ったのですが、実は客室へのデリバリーロボットだったのです。
ロビーで荷物を受け取ると、あとはロボットが客室まで自動で配送。エレベーターにも一緒に乗り込み、行き先階のボタンが自動で点灯し、ロボットが完全に乗り込むまでドアも閉まりません。目的階に到着すると自動で降りていき、客室前に到着すると部屋の電話が鳴るという仕組みになっています。このロボットがなかなか賢い。動きも自然で、思わず「お先にどうぞ」と譲ってしまうほど。
技術もすごいのですが、それ以上に印象的だったのは「ロボットが働く前提で環境が設計されている」という点でした。
こうした“効率を最大化する発想”は、街の仕組みだけでなく、ものづくりの現場にもそのまま表れているように思います。
ここまで、中国の日常で感じた変化についてみてきましたが、こうしたスピード感や効率化への意識は、製造業の現場ではどうなのでしょうか。
今回の展示では、各産業のニーズに応える加工ソリューションと、自動化・省人化技術に焦点を当てた2台の設備を展示しました。
メインとなるのは、中国では初披露となる、ロボットアームを搭載したインデックス仕様の「S25GH-AR2」です。自動化による省人化と高速化を両立するソリューションとして、自動車産業向けのギア加工を提案しました。
また、本機には加工状態をリアルタイムで把握し、設備が自ら適切な制御を行うことで品質を安定させるスマート制御も搭載しています。現場の状況に応じて自律的に判断し、ばらつきを抑えながら安定した加工を実現できるのも特長ひとつです。
また、中国市場で需要が高まる建設機械産業向けの油圧部品や、ロボット向け減速機部品のホーニング加工を提案する設備も展示しました。
こうした背景には、「熟練者不足」や「生産性向上」といった、各産業に共通する課題があります。
EVやロボットをはじめとする先端製造業の成長が進む中国では、高精度かつ高効率な工作機械へのニーズも確実に高まっています。
中国に限らず、自動化や省人化そのものは、もはや特別なものではなくなってきました。自動化の検討や導入は当たり前となり、ロボット技術への関心はいまや世界共通のもの。
だからこそ今、注目されているのは、その先。
--いかに効率よく、止まらない生産を実現するかです。
工作機械とロボットが連携し、自律的に稼働する自動化ラインの構築は、企業の競争力を左右する重要なテーマとなっています。
今回の「S25GH-AR2」では、日進ProSOLが得意とするギア加工に加え、ワークの着脱にロボットのダブルハンドシステムを採用。
2つのハンドシステムを使うことで、「加工済品を取り出す」と「未加工品をセットする」を1度の動作で行うことができ、設備の待機時間短縮や作業効率の向上を図っています。また、建設機械向け油圧部品やロボット向け減速機部品の加工提案についてもあわせて展示し、「効率」と「品質」の両立という視点で紹介しました。
このタイプの設備は中国のお客様ではあまり導入例が多くないこともあり、「ホーニング加工×ロボットアーム」という組み合わせに大きな関心をいただきました。さらに、周辺設備を含めた自動化の組み方についても、多くの相談や期待の声をいただいています。
日進ProSOLとしてもこうしたニーズにしっかり応えていけるように、更なる拡充にも取り組んでいます。今後の展開にもご期待ください!
中国市場での反応は非常に大きく、今回ご紹介した設備や技術には、多くの関心をいただきました。一方で、率直なご意見も寄せられています。日本製であることによる価格面や、中国国内メーカーと比較した際の調達スピード、対応スピードについては、今後も向き合っていくべき課題です。
しかしその一方で、「精度が安定しない」「故障が多くて困っている」といった、既存設備の精度や耐久性に不満を抱えているお客様が多いことも強く印象に残りました。実際にお話を伺う中で、日進ProSOLの技術や提案力で解決できると確信できた課題も多くありましたし、中国市場ならではの要求を肌で感じると同時に、当社が提供できる価値や可能性についても改めて認識する機会となりました。
丁寧な対応と高精度な設備という強みを活かし、中国市場においてもお客様の課題解決に貢献したいと考えています。
多くのお客様に弊社ブースにお立ち寄りいただき、盛況のうちに終えることができました。これもひとえに日頃よりご支援いただいている皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。
今後もお客様の課題解決に貢献できる製品・サービスを提供し、中国市場におけるさらなる価値創出に取り組んでまいります。
また、当社の中国拠点では、中国語・日本語の両方に対応できるスタッフが常駐しており、導入前のご相談からアフターサポートまで一貫して対応しています。 「中国で設備導入を検討しているが不安がある」そんなお客様も、どうぞお気軽にお声がけください。
お客様の課題に寄り添い、最適なソリューションをご提案いたします。
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