産業機器メーカーW社 生産技術部

部品調達の安定化のため、部品生産ラインの内製化を図るも、社内に加工ノウハウなし…

外注先の協力を得られず、混沌とした状況を救った加工機メーカーの提案力とは?

背景

物流業務のDX化により、世界的に需要が増えている自動搬送機器メーカーのW社。生産量拡大に伴い、外注先からの重要部品の調達が滞る恐れが出てきた。そこで不足分を補うため、部品生産ラインを社内に設けて内製化する検討を始めたが、検討の段階で大きな課題に直面していた。

課題

外注先はノウハウを非公開。データ収集用に試作加工機導入を検討するが…

W社では長年、製品の大部分を外注先で生産していました。そのため、社内には部品加工に精通したスタッフがいなかったのです。そこで、外注先にアドバイスを求めたのですが、その回答はW社が期待したものとは大きくずれたものでした。

生産技術部の担当であるS氏は、課題を以下のように振り返ります。
「おそらく自社に委託されている仕事が、内製化によって減らされてしまうのではないかと懸念されたのではないでしょうか」

そのため、生産技術部では試作用加工機を社内に導入してデータを収集し、加工技術やノウハウを習得することを目的としてプロジェクトメンバーを募り、作業にあたることにしました。
「試作用に導入する加工機は、さまざまな条件での加工が可能な柔軟性を持っていることが必要です。また、加工機メーカーからノウハウ面で協力を得られることも重要なポイントでした」(S氏)

しかし、いざ試作にも使える加工機を選ぼうとすると、条件に合う加工機やメーカーはなかなか見つかりません。
また、親身に相談に乗ってくれるメーカーも現れませんでした。
この状況にS氏らプロジェクトメンバーは、焦るばかりでした。

課題のポイント

  • 部品製造の内製化に必要な加工のノウハウが社内になかった

  • 外注先は仕事が減ることを懸念して、ノウハウの提供に非協力的だった

  • 技術習得のための試作加工機を導入することになったものの、目的にかなう機種・メーカーが見つからなかった

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